活動日誌−真野和久
【13.11.0近江八幡市、栗東市を視察
道の駅と風景づくり事業
10月23・24日に、愛西市議会経済建設委員会は、滋賀県近江八幡市「風景づくり事業」と滋賀県栗東市「道の駅アグリの郷栗東」へ行政視察を行きました。
近江八幡市
「風景づくり事業」
近江八幡市は、琵琶湖の東岸、人口81,967人、面積177.39㎢。 平成22年に近江八幡市と安土町が合併しています。
織田信長が建てた安土城の焼失後、豊臣秀次が建てた八幡山城下に安土の町衆が移住し、商業都市として栄えました。近江商人の里の一つとして有名です。ラムサール条約の登録湿地である西の湖が在り、自然と歴史に恵まれた地域です。
近江八幡市は、平成17年に「風景づくり条例」を定め、「水郷風景計画」「伝統的風景計画」などを作りました。
市は「風景」とは、景観と人の営みととらえ、そこで生活する人たちが受け入れられることが大切と考えて、「市が上から指定していくのではなく、市民からの提案を待つ」「風景づくり委員会に提案してもらう」というかたちをとっています。現在、条例による風景づくり協定地区が2つ、協定や支援のない風景づくり団体がいくつも活動しています。
こうした独自の「風景づくり」が行われている背景には、その原点が八幡山の堀の保存運動から始まったことにあります。
1970年ごろ、八幡掘は草が生い茂り埋立計画が持ち上がりました。その時、市民から保存再生運動が起き、行政の計画が変更されて、今の素晴らしい風景として保存されています。
現在は、街並みも整備され、近江商人の郷として観光客もたくさん訪れていますが、市は「そもそも景観保全は観光目的ではなかった。結果的に観光効果も出た」と言っているところは大切なことだと思いました。
歴史的な街並みの建物の修繕などは国・市などの助成を活用し、協定地区には最大20万円の補助を行うことになっていますが、ガイドボランティアなど多くの街づくり団体は、行政の支援を求めていないとのことです。
愛西市内にも、旧街道や佐屋宿などがあります。また、蓮田などの自慢の風景がありますが、近江八幡市のまちぐるみの景観保全の活動は大変参考になると思いました。
栗東市
「道の駅 アグリの郷栗東」
栗東市は、高度成長期に京都・大阪のベッドタウンとして人口が急増し多くの住宅が建ちました。こうした住民に野菜などを提供しようと米作ばかりであった農業を変えてきました。また、今の農業の厳しい環境の中で、「市場競争力の強い農産物の加工販売」「直産施設の併設で消費者との交流」などの目的で「経営基盤確立農業構造改善事業の農産物処理加工施設」として建てられました。
近隣の道の駅との競合もある中で、市内のスーパーに商品を置いてもらうなど栗東ブランドの農産物と加工品の販売・普及に努めています。